南モンゴル人権活動家アルマズ・シャラノード氏がインターネット上のウェブサイトにアクセスできなくなっている。本人の証言によると、2015年7月10日の夕方以降、SNSの画面が表示されず、他の中国国内のウェブサイトにも接続できなくなったという。氏のスマートフォンのみならず、家中のインターネットが全て切断されているようだ。その前日にも公安関係者と思われる不審な人物がアルマズ氏の家の周りを徘徊し、様子を窺っていた。アルマズ氏はモンゴル伝統医学の医師であるが、以前から彼の職場にも公安関係者が出没し、患者を怖がらせるなどの業務妨害行為を度々行っていた。
アルマズ氏はかつて汎モンゴル民主協会を設立し、2009年4月末に中国政府の内モンゴル自治区における民族政策に反対する抗議集会を企画してインターネット上で呼びかけを行ったことで逮捕され、3ヶ月間拘束された後、「国家分裂を煽動した罪」で1年間の自宅軟禁下に置かれた。その後、氏は2~3年前から複数のSNSサイトでグループを作り、南モンゴルの問題について関心を持つ人々と交流を深め、議論・研究を続けていたが、こうした言論活動が、中国警察による嫌がらせや今回のインターネット遮断に関係しているものと見られる。7月13日にも再び公安関係者が家の前を巡回しており、アルマズ氏は身の危険を感じている。
自宅軟禁終了後も、アルマズ氏の身辺は公安当局によって常に監視されており、度重なる申請にも関わらず旅券の発給を拒否されているため、行動の自由を著しく制限された状態にあることには変わりない。アルマズ氏はドイツに本部を置く南モンゴル人権保衛同盟のスタッフに対し、海外の人権活動家達がこの問題を注視し、中国政府に対して人権侵害を中止するよう圧力をかけて欲しいと語った。
7月16日以降、アルマズ氏との連絡が全く取れなくなっており、本人と御家族が安否不明の状態になっている。