19年間の獄中生活から解放されたハダ氏による、「中国共産党によるモンゴル人ジェノサイド実録」を読んでの感想である。
同書は「アルタンデレヘイ」なるペンネームの人物が90年代末期に密かに地下出版の形で著したもので、その後南モンゴル人社会の間でひろく読まれるようになり、現在では静岡大学教授・楊海英先生の日本語抄訳をインターネット上で読むこともできる(http://www.smhric.org/Genocide_1.pdf)。
ハダ氏は95年に投獄されたわけだが、まさに氏が獄中にあった時期、中国で研究が許されないタブー領域であった「モンゴル人のジェノサイド」について書かれたのがこの本だ。
そうした本の感想をひろく発表できるのは、同氏の解放によって状況がひとつ確実に前にすすんだことの証左であろう。
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